TL;DR
- 「日々の仕事の目的」を見失うと、そこから”オレオレルール”が発生してくる
- ”オレオレルール” はプラスなしどころか、マイナスにもなり得る(ビジネスリソースも精神も)
- チームを率いるなら、「目的」をちゃんと 口に出して 、みんなの頭の片隅に残すようにす る
前提
システム開発(以外の仕事でもそうだと思いますが)をする際には、色々なツールを使うと思います。
ソフトウェア
- オフィス系
- TODO、バグなどのチケットトラッカー
- 情報共有Wiki
- ソース管理
ハードウェア
- 物理カンバン
- ホワイトボード、会議室のレイアウト
などなど。
チームで仕事をするのであれば、少なくとも「こういう使い方をしていきましょうね〜」という示し合わせが必要です。 仕事の成果を向上させるためにせっかく導入したのに、道具が”適切に”使用されていないと、効果というのが表れてこないと思います。
"オレオレルール"とは
これを進める中で、急に リーダー以外のメンバーの中から 「このツールはこういう使い方をするのが正しい!」という有志が現れてくることがあります。
リーダー以外の、というところがポイントですね。
チームでは、日々こんなことが起きます。
「こんなコミットコメントがありました。1行目に◯◯を、2行目以降に〇〇を書くようにしてください!1行目の内容は100文字くらいを目安にしてください!」
「このエクセルシートはフォントサイズを◯◯pt以上にしてください!セル内には最後のから行を1つ入れるようにしてください!」
「チケットの書き方ルールをチェックリストにしました。各位は必ずこれを満たすようにチケットを書いてください!」
ルールを作ることは、よいはずですよね。
ですが、次のようなことが起きてきてしまいます。
- ツールを使うたびに、ルールが守られているかを確認する時間が増える
- 守られていないルールを発見/共有する、という裁判時間が、定期的な会議の中に追加される
- ルールの煩わしさにより、チームメンバーは道具を使わない逃げ道をさがす
- 別の道具が現れる
こうなってしまうと、もうその道具は存在しないようなものです。
むしろ、前半2項目のような追加の時間が発生してしまうことで、道具の導入前よりも成果が悪くなってしまう可能性さえあります。
また、
こういうコミットをすると、またルールを破ったことにより叱責がありそうだ・・・
仕事の成果物を納めるのが、いやだなぁ
と、メンバーの不安感も煽ることになってしまいます。
その辺の話は、心理的安全性 の問題や、以下の記事を見てみてください。
"オレオレルール"が出現する唯一の原因
があります。
それは
日々の業務の目的を共有できていないこと
です。
本来の仕事の成果をあげるために道具を使ってるんですから、もちろん目的というのは「仕事の成果」です。メンバーは雇用されて働いてるわけですから、目的はわかっているはずですよね。
ではなぜか、実は日々仕事をしていくと、諸般の事情によって、目的を 忘れてしまう ということが多々発生します。
- 仕事以外の悩みが大きくなり、仕事に集中できない
- 道具が好きで、道具を使うのが楽しい
- 毎日残業続きで疲れて、目の前のタスクをこなすことだけしか目に入らなくなる
- 現場の環境がいやになっており、仕事を辞めたいと考えている
など、メンバーの事情により、様々です。
目的を忘れてしまうと、目的達成により得られるはずの達成感も忘れてしまい、「自分は日々何を達成するために仕事をしているんだ」ということを考えます。
自分は毎日なにをしているんだ、プログラムを書いて、ドキュメントを書いて、バグ報告を書いて・・・
そうだ!プログラムの変更とそれに伴うコミットコメントを納めることが目的なんだ!
と、なってしまい、いわゆる「手段が目的化」してしまいます。
それにより、手段を実施することで達成感、そして自己承認を得るようになってしまいます。
つまり
プロジェクトを管理する際には、チームを率いる際には、日頃から「目的をメンバー全員の頭に残す」ようにしましょう。
進捗ミーティングのたびに、「ここまで進んだね。このペースでいけば、来月の納品にすべてまにあわせることができるぞ。」ということを、ちゃんと 口に出して いきましょう。
人間は、ちゃんと言わないと言葉にしないと、伝わらない生き物のようです。
メンバーから「わかってますよ〜」と言われても、ちゃんと続けるようにしましょう。
おわりに
これも、仕事における「人間案件」(人間関係、って書こうとして誤字ってるわけではないですよ!)ですね。
新卒に対しては気を使う、という現場は多いと思いますが、私は2、3年目の社員あたりが一番気を使うべきかな〜と思います。
その人を採用した/採用されて正式に配属された、なら、その人を最大限活かしてあげることが、先達の役目ですので、取り組んでいきましょう。