いわゆる退職エントリーです
新卒から約9年間務めたSIerを退職しました。
社内・客先常駐、請負・準委任、一通り経験しました。だいたい6年くらいは請負、3年くらい準委任でした。大手の会社にも常駐していました。
今回は、転職に至った理由をつらつらと書いていきます。
あまりデータに基づくものはなく、観測範囲と予想で構成されているので、そのあたりはよしなによろしくお願いいたします。
あと、まだ次の仕事はスタートしてないので、そのあたりは含んでません。
TL;DR
実を言うとSIはもうだめです。 突然こんなこと言ってごめんね。 でも本当です。
幻滅期が終わった頃にものすごく ポストモダンなERPの波があります。
それが終わりの合図です。 程なく基幹業務再モデリングの波が来るので 気をつけて。 それがやんだら、少しだけ間をおいて またSIの需要がきます。
SIerについての考え
いろんなところで「SIer」というのは悪く言われるものですね。
SIerは何をする企業でしょうか、その名の通りシステムインテグレーション業、情報システム構築を専門に担う組織です。「開発」ではなく「構築」なので、べつに1から全てを手作りすることには限定されません。
まず、はっきりと言えることとして、システムインテグレーション業は必要なものであり、なくなることはありません。
SIerの世間的な取り扱いと、それに対する考えは、過去に書いた記事をご参照ください。
一般企業のITリテラシーのグランドキャニオン
一般企業にはすでにほとんど何かしらの情報システムが入っていると思いますが、だいたい全体のITリテラシーをおしなべると、次のようになっていると考えています。
1970年代くらいのホストコンピュータ時代は、かなりハードウェアも高価だったので、おそらく大多数の中小企業という視点でみれば、IT化は全然広がっていなかったのではないかと考えています。
全国的にIT化が進んだのは、きっとコンピュータが安価になってきた2000年あたりなんじゃないかと思います。Windows 2000/XPの普及率について思いを馳せて、なんとなく、そう想像しています。
このあたりで、全国津々浦々大小のSIerは、それぞれ地元の一般企業にオービックやSAPなどのパッケージ、Accessを使ったフォームシステムをどんどん作って回ったと思います。これにより、まずは2000年くらいで全国的にITの地盤ができました。
ここからは、「意識の差」になってきます。大規模な一般企業は、世間の風習に乗り遅れないようにIT化を進めていきます。意識の高い一部のSIerはそれに気づいて、地元の一般企業のITシステムを考え直そうとします。そして、中小企業なかでITについて意識の高いごく一握りの企業は、自分たちで発起してITシステムを進展させていきます。
ここはもう、バラバラです。それによって、いまは地盤の上にいびつな山脈が出来上がったような状態になっているんじゃないかと思います。
まぁきれい。
SaaSは新たな地層になる
グランドキャニオンのような状態で、今後企業内システムの隙間を埋めて、新たな地層を構築するのが、SaaSだと思っています。
じゃあこの埋もれた部分のシステムインテグレーション業はどうなるか?申し訳ないですが、潰れて市場が縮小するということになります。
一方で、現在は企業内システムへのSaaS統合はまだまだです。
ハイプサイクルをみても、クラウドのCRMは『幻滅期』くらい。ポストモダンERPはまだ『過度な期待』状態です。
導入も、進んでません。
なので「入門するなら今」なわけです。
地層が埋まった後はどうなるか
どうなるか?また新しい地層の上に山が積み上がっていくわけです。
モダンなSaaSがより広がることにより、全体としてITリテラシーが高まっていきます。
その結果、現在の状況と同様に意識の高い一般企業、意識の高いSIerは、それぞれが新しい山を作っていくことになります。
これはつまり、システムインテグレーションの市場が広がるということです。
SaaSによって地層を埋めるのは「古いSIerが淘汰され、新しいSIerを醸成する」ことにもつながると考えています。
なぜSaaSと言って、「クラウド」と言わないか
目線はあくまで一般企業のエンドユーザです。 そこでのITリテラシーを考えるなら、大事なのはラインナップとして揃っているサービスですので、プラットフォームは問わないわけです。表には見せる必要ありませんしね。
また、敷地内(オンプレミス)に留めるべきデータもあります。しかし、留めなくてもよいデータもあります。留めなくてもよい、つまり自分たちで管理しなくてもよいコンピューティングリソースもあります。オンプレミス・クラウドを適材適所に取り扱うことが大事なわけです。
SaaSによって、一般企業の情報システム・情報管理がもっと「適切」「自由」になればいいな〜と考えています。
おわり
上に書いたような世間的な状況に加えて、ちょうど大きなプロジェクトも終わり、30歳も超えていますので、今かな〜と思いました。
というわけで、転職に至った理由でした。
また新しい仕事が始まったら、何か書きますかね〜
*1:画像出典: http://www.1zoom.me/ja/